ロービジョン(見えにくい方へ)

ロービジョン全体の案内は、院長も作成のお手伝いをした静岡ビジョンサポートサイトをご覧ください。各分野の専門家が直接記事を書かれていますので、たいへん優れたサイトと思います。

以下は当院の案内です。

見えにくい方へ

現在の医学では十分な視機能の回復を果たせない眼の状態もあります。現在もっている視機能をいかして、少しでも充実した生活を送りたいという気持ちがある方にとって、ロービジョンケアは大きな援助となります。ロービジョンケアの有効性が高い眼の状態と、難しい状態があります。少しでも興味があれば、試してみることをお勧めします。遮光眼鏡や拡大鏡など、ニーズに十分応えられるだけの準備をしております。

ロービジョンを試したい方へ

現在の視機能を、医師、視能訓練士、看護師が把握することが第一です。ロービジョンを必要とされている方に高齢の方が増えるに従い、ロービジョンエイドの利用によいアドバイスを得るうえで、看護師の全科的なケアの専門知識がますます重要になってきています。ロービジョンを試すには、まず通常の診察を受け、視野検査を実施させていただきます。その後、視機能にあわせて、拡大鏡、遮光眼鏡、拡大読書器などを一緒に選んでいきます。現在単眼鏡には対応しておりません。患者さん一人一人について、当院の医師、視能訓練士、看護師でミーティングを行い、方向を討論していきます。

遮光眼鏡とは

人が眩しいと感じる波長の光を遮り、物を見るために必要な波長の光のみを通すことによって眩しさや明暗(コントラスト)をはっきりさせることで見え方の質を向上させるよう設計されているレンズです。一般的なサングラスにも眩しく感じる波長の光を遮る機能はある程度ありますが、それが不十分であったり、または物を見るために必要な波長の光も遮ってしまい、結果的に見え方の質が損なわれてしまうことがあります。当院ではHOYA株式会社製のトライアルレンズ21枚、東海光学株式会社製のトライアルレンズ22枚がお試しいただけます。

どのような方にお試しいただくのか

主には『眩しさ』を感じられている方が対象になることが多いのですが、コントラストを上げる効果もありますので有効と考えられる方にはお勧めすることがあります。上述しておりますが、サングラスと比較して見え方の質に関しましては遮光眼鏡に軍配が上がるので病気の有無に関わらず広くお勧めすることができるレンズです。

どのように試していただくのか

当院の視能訓練士と共に屋外や屋内にて一枚ずつレンズをかざしながら見え方を確認していただいております。当院には国立障害者リハビリテーションセンターにて研修を終えた視能訓練士が在籍しており、レンズ選定に関する知識、方法に関しましてはそれに準拠して行っております。

各種レンズによって昼間の運転や夜間の運転に推奨できるもの、またはできないもの等ございますので、ニーズに合わせて検討していきます。人が感じている眩しさを正確に他人が把握することは極めて困難なことであり、ご自身で最も見えやすく、眩しさが解消するレンズを選んでいただくことが大事です。原則として天気の良い日、試していただくご本人が眩しさを感じている時に行うことが遮光眼鏡の効果を最も体感しやすく、お試しには最良です。また、実際使用する場面(運転するのであれば車中など)での見え方が大切ですので、当院でお試ししていただいた後、お試しのレンズを貸し出します。生活場面での見え方の確認を行った上で処方を決定しております。

遮光眼鏡を実際に使用する際のデザインにも現在3種あります。眼鏡のレンズに組み込むタイプであったり、お持ちの眼鏡の上にクリップで覆うように装用できるもの、眼鏡よりワンサイズ大きく作られていてお持ちの眼鏡の上に被せるように装用できる『オーバーグラス』があります。オーバーグラスにはレンズのみならず、周辺からの光を物理的に遮る効果もありますので、眩しさを解消するためにはより優れています。

暗所視支援眼鏡(主に網膜色素変性の方々へ)

HOYA 暗所視支援眼鏡 MW10 メディカルウエアブルを導入しました。暗闇の中のわずかな光を増幅させ、対象物の色彩を自然に再現します。例えばプロジェクターによるプレゼン時に威力を発揮するそうです。当院で試用、処方ができます。静岡市では暗所視支援眼鏡HOYA MW10 HIKARI が令和2年10月より日常生活用具の支援対象として認可されました。患者さんの出費は22万円弱となります。ほかの市町村の情報については、お住いの市町村にお尋ねください。