加齢黄斑変性のプレシジョンメディシン

すべての病気の症状は、遺伝と環境の両方の要因が関わっています。加齢黄斑変性の発症には遺伝が要因として大きいと考えられています。

加齢黄斑変性の発症、進展にかかわるDNAの配列が知られています。図は10年以上にわたって片目が加齢黄斑変性に罹患した方を調査したもので、反対側の目(僚眼)に発症する確率を、生存曲線にてあらわしたものです。過去に発表された加齢黄斑変性とゲノム配列を調べた論文の中で、臨床的に最も重要な論文と考えています。数個の遺伝子配列により、これだけリスクがかわるとは驚かされます。

5つの遺伝子(ARMS2, CFH, TNFRSF10A, VEGFA, CFI )に配置されたSNPによる僚眼発症を示したカプランマイヤー曲線。

黒 non-risk homo, 赤 hetero, 青 risk-homo。

The Contribution of Genetic Architecture to the 10-Year Incidence of Age-Related Macular Degeneration in the Fellow Eye.

Miyake M. et al.

Invest Ophthalmol Vis Sci. 2015;56:5353-61.

当院では、加齢黄斑変性の患者さんでご希望の方には、上記曲線のどのDNA配列をお持ちであるか、静岡県立総合病院との共同研究の一環としてお調べしリスクを評価いたします。配列を調べる費用は研究費からの支払いとなり、患者さんのご負担はありません(通常の診療に関わる費用は、保険診療となります)。万が一高いリスクをお持ちであることが判明した場合、禁煙を強くお勧めし、またルテインをベースとしたサプリメントを採られることを強くお勧めいたします。このような診療はプレシジョン・メディスン(メディシン)と呼ばれます。

加齢黄斑変性にもどる